コミュニティ形成のための「カフェ」づくり
盆真っ盛りですが、今日は5冊ほどの本を回し読みをずっとしていました。その中でいい本があったのでご紹介とともに、少し思ったことを。
本はコモンカフェ代表「山納洋(やまのうひろし)」さんの『カフェという場の作り方 自分らしい起業のススメ』。これは数日前に本屋に立ち寄ったときに惹かれて購入したもの。なんだかとても面白そうだなというのと、以前から情報の共有空間としての「カフェ」に興味があったため購入した。
- 作者: 山納洋
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2012/08/01
- メディア: 単行本
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私はカフェを開くつもりもないが、この本はとてもいい本であった。日本におけるカフェの歴史から、実際にカフェを経営するときに発生するトラブルや、それに対する心構えといったものが書かれている。このあたりに関してはカフェをする人でなくても、コミュニティ形成や維持に関して興味がある人は十分に役に立つものであると思う。
さらに、カフェがコミュニティを形成したり維持するため機能や、公共性、文化性を維持するための機能を持つことの重要性が書かれており、その点に関して、私は以前から京都では町屋を改造したカフェや、情報発信・共有のためのカフェがあったことに関心があったので、とても参考になった。
さて、個人的に現在の大学院生という立場から考えると、また、これまで思ってきたことを付け加えると、大学にこのほんで取り上げられているような気軽に立ち寄れる「カフェ」、とくに個人的には学問を議論できる「カフェ」が大学構内に必要だと感じた。
立命館大学(衣笠キャンパス)にもないわけではないが、その場所には(例えばゆんげ)ラーニングコミュニティというよりも、スチューデントコミュニティのような色合いが大きい(学生会館が隣接しているからだろうが)。ラーニングコミュニティのために図書館内にピア・ラーニングルームもできている(2011年4月1日から; BKCは2012年4月3日から)。ここは図書館内ということもあり、いい学習空間として現在でも維持されている。しかし、飲み物はフタ付き飲料に限定され食物は禁止である(これは図書館内ということもあり致し方ないのであるが)。こうなるとコーヒーを飲みながらであったり、少しお菓子を食べながら、ということはできない。また、すでにできあがったコミュニティが使用するだけで、相互の交流は見ている限りはなく、相互啓発も少ない。
そのため、私が理想とするような取り組みをしてはどうかと思い立ったりもした。場所はどうにでもできるだろうし、月1開催などやればどうにかなるんじゃないかと思ったり。そういった場を大学が提供してくれるかはわからないが。
立命館大学は13学部で構成される総合大学であり、大学院は19研究科にも及ぶ。この総合性を発揮させるためにもキャンパス間の問題もあろうが相互交流できるコミュニティづくりが必要ではないかと思うのである。
しかしながら、新しい取り組みを行うにも、それに参加するにもそれぞれに新しい時間的余裕と精神的余裕が必要になるし、せっかくできた関係性を維持するための取り組み必要なる。このあたりをしっかりと考えてから(コンセプトを明確にしてから)、実行に移さねばならないだろうが。
以上、簡単であるがこの本を読んで思いついたことを書いてみた。
コミュニティ形成と維持がどのように為されるのかを行動分析学的に考えてみたいが、長くなりそうなので今回はこのへんで。